2011年09月05日

研究所パネル展示「がんと向き合いがん研究を考える−どうしてがん研究は必要なのか−」

(導入部は「第70回日本癌学会学術総会プレイベント Cancer Month2011」に行ってきましたを見てください)

愛知県がんセンターの研究所には8つのセクションがあるそうです。そのセクションごとに、どんな研究をしているか、あるいは最新の研究成果などをパネル展示で紹介しているコーナーです。

パネル展示というと、「しょぼい」というイメージを持つ人が少なくないと思います。僕もその一人ですが、しかし実際は違いました。



全.jpg


というのも、各セクションごとに二人ずつくらいの研究者がついていて、質問し放題なのです。お客が少なくて、会場はお客と研究者の数が同じくらい?という感じ。質問したいと思ったときに、したいだけできます。がん研究オタクというものがこの世にいれば、その人にとってここはこの世の楽園でしょう。

また、クイズラリーのようなものをやっていて、がん関連の問題を最初に渡され、パネルを順に見ていけば自然と問題の回答もわかるようになっています。最後に回答を提出すると記念品がもらえます。

どのパネルも興味深いことが書いてありましたが、私が特に印象に残ったのは、

●免疫治療

人間の免疫によってがん細胞を攻撃させる治療法で、うまく行けば現在の抗癌剤のような副作用のないがんの治療薬ができるようです。しかも、すでに治験なども始まっているそうで非常に期待が持てそうな印象を受けました。

ちなにみ、免疫と名のつく治療法は怪しげなのがいっぱいあって、ネットで検索してもそういう情報がたくさん出てきますが、ここで言っている免疫治療はそういうものではありません。免疫細胞ががん細胞をちゃんと攻撃するように仕向ける薬を作る研究、とでも言えるでしょうか。

●ペプチド

アミノ酸がたくさん集まってできるものといえばタンパク質ですが、たくさんではなくて、数十個までの少量のアミノ酸でできているのが、ペプチドだそうです。

どうもこのペプチドというのががん治療で注目されているようで、前述の免疫治療でもペプチドを活用するようなことが書いてありましたし、ペプチドによってがんの早期発見もできるようになるみたいです。

また、マウスの実験で、癌による腹水がペプチド投与によって劇的に改善されたことが写真付きで紹介されていました(ペプチドに腹水を減らす効果があるということなのか、ペプチドによってがんがなくなったので腹水もなくなったということなのか、よくわかりませんでした)。

ペプチド.jpg

●疫学

恥ずかしながら、疫学の意味を初めて知りました。今まで本などで「このことは疫学的にもはっきりしている」などと書いているのを読んでもイマイチよくわかってませんでしたが、ようやくわかりました。

疫学とは、何を食べると、どんなことをすると、癌になりやすいのかということを統計的に調べる学問のようです。顕微鏡や治験とは無縁で、結果が出ればすぐに予防に役立つ学問です。

実例として、愛知県がんセンターの患者がどのくらいコーヒーを飲むのかを調査した結果がありました。それによると、コーヒーをたくさん飲む人は、口腔、咽頭、食道のがんになりにくいことがわかったそうです。

コーヒーにがんを予防する効果があることは他の様々な調査でも報告されており、かなり信頼できることのようです。私は以前に何かの記事でそれを読んでいたのであまり驚きませんでしたが、多くの来場者はコーヒーは体に悪いものと思っていたようで、この調査結果に驚いている人がたくさんいました。

コーヒー.jpg

●研究者

がんの研究をしている人なんて、非常に縁遠い感じがしますが、そういう人といろいろお話ができただけでも貴重の体験でした。

当たり前ですが、がん研究の最前線にいる人でも、特に変わったところのない普通の人でした。ほんとに当たり前ですね。

腫瘍ウイルスだったと思うのですが、いわゆるイケメンのお兄さんがいました。白衣の下の私服も明らかに他の人とは違う感じで、「こんな今風のあんちゃんもがんの研究してるんだなあ」と妙なところで感心したりしました。

●その他、驚いたこと

腫瘍ウイルスのパネルに「肝臓がんの70%はC型肝炎ウイルスによる」と書いてあり、ふと浮かんだ疑問をぶつけてみました。「肝臓がんイコールお酒というイメージがあるが、原因の大半がウイルスなら、飲酒は関係ないのか?」
それに対する答えは、
「お酒を飲めば脂肪肝になったり肝硬変になったりすることはあるかもしれないが、それで死ぬようなことはない」

つまり、肝臓がんと飲酒はあまり関係がないようです(飲酒とがん全般が無関係なわけではない。飲酒によって消化器系のがんリスクは増えるらしい)。

飲酒関連でもう一つ。遺伝子的にお酒が飲めない人、つまり少しのお酒でも顔が真っ赤になってしまうような人ですが、こういう人が喫煙をすると、お酒に強い人が喫煙した場合より何倍も肺がんになるリスクが高いそうです。

アルコールを分解できない体質の人はタバコの毒性も分解できない? 疫学の結果なのでメカニズムはわかりません。

※すべて素人である私の書いていることですので、間違っている部分もあると思います。鵜呑みにしないように注意してください。それと、間違っている部分があれば、それは私が聞き間違い、書き間違いをしたのであって、研究者の方が間違ったことを言ったわけではないと思います。

posted by まーさん at 22:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 癌とピアサポーター
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