2011年11月02日

講座「新しいがん治療ができるまで」受講しました

さる10月30日、「第49回日本癌治療学会学術集会市民公開講座in名古屋 ご存知ですか? 『新しいがん治療ができるまで』〜希望のちから〜」という、サスペンスドラマのサブタイトルのような長ったらしい名前の講座を受講してきました。まあ、この手の講座の名前はどれも同じくらい長いですが。
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この講座は昼食休憩を挟んでほとんど1日を費やすもので、しかも司会進行をTBSの有名なアナウンサーが務めるなど、かなかな本格的なものです。当日の中日新聞にどかーんとこの講座の記事が載っていたのにも驚きました。

それほど大規模なこの講座のテーマが何だったかというと、もちろん新しいがん治療についてなんですが、もっと言えば新しい治療、この場合は主に薬なんですが、それを開発するには患者の協力が必要だという話です。

大事な事なのでもう一度書きますね

新しいがんの治療薬を作るにはがん患者の協力が必要です。

まあ、私もそんなことは知らなかったと言うか、考えたこともなかったと言うか、偉そうには言えないのですが。

講座の内容は、午前中は映画鑑賞、午後は5つの講演と、トークセッションでした。

映画は「希望のちから」というタイトルで、てっきり教材のようなつまらない映画かと思っていたのですが、全く違っていて、アメリカで2008年に製作された立派な映画でした。実話を映画化したもので、ハーセプチンという乳がんの抗癌剤(分子標的薬)の開発物語です。

この映画が多くの時間を割いて紹介していたのが、臨床試験です。新薬は臨床試験なしでは絶対に作れないことがよくわかります。それと、乳がんの患者会が出てきて臨床試験をサポートします。実際、アメリカのがん患者会はとんでもなく大規模で強い力があり、新しい治療法の開発に様々な形で関わっているようです。日本では考えられないですね。

午後の講演もそれぞれ臨床研究、臨床試験についての話でした。新薬の開発には臨床試験が重要であるにもかかわらず、日本ではそれがあまり行われていません。さまざまな理由があるようですが、患者や一般の人に臨床試験のことが周知されていないため、必要な患者が集まらないことも深刻な問題みたいです。

私がガンの勉強をやり始めて非常に意外に思ったことがあります。それは、がん治療において患者は必ずしも受身ではなく、中にはとんでもなく大きな役割を果たした患者が何人もいることです。

そもそも、今日本で癌を駆逐するために膨大な予算をつぎ込んで様々な取り組みがなされているのは、5年前にがん対策基本法という法律ができたからです。そしてこの法律は、佐藤均さんなどがん患者の訴え、活動が発端となり、医学会ではなく患者の側からの働きかけで生まれたのです。

この日の講座は、医学会から患者や一般の人に向けて、もっと力を貸して欲しいという要請、あるいは、失礼な言い方かもしれませんが、懇願のようにも思えました。時間はかかるかもしれませんが、日本でも臨床試験の正しい認識が広まることを期待したいものです。

なんて人事みたいに言っている場合ではなくて、がんサバイバーである私は当事者だし、日本人全員が当事者といってもおかしくないんですよね。

posted by まーさん at 23:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 癌とピアサポーター
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